スマートフォンに代表される電子機器に欠かせない配線基板形成を、レーザ焼結を利用して行う研究です。主に、インクジェット印刷した金属ナノ粒子ペーストにレーザ光を照射して微細配線や機能性膜を形成し、焼結特性や電気特性などを評価します。これにより従来のリソグラフィで必要な薬液や洗浄液の処理が不要となり、環境負荷の低減にも貢献します。
グリーンテープレーザ焼結(GTLS)法は、高分子のバインダを用いてセラミックス粉末などをテープ状にし、レーザで焼結する方法です(図1)。この方法では、焼結体がポーラス構造で、レーザパラメータの制御によって微細構造の制御が可能となります。このGTLS法を用いて、図2に示すような、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の電極膜に求められるような微細構造体を作製します。
Fig.1 Schematic of green tape laser sintering (GTLS) method
Fig.2 Schematic of solid oxide fuel cell(SOFC)
GTLS法によってSOFC電極膜を作製するために、電解質基板に電極を直接レーザ焼結します。
この方法では、電解質基板の上に電極材料を含むグリーンテープを貼付し、それをレーザ焼結することで微細構造を有する電極膜を基板上に作製できます。図3と図4はレーザ焼結で得られたLSM電極膜と、NiO/YSZ電極膜の例です。現在、レーザパラメータを検討し、気孔サイズや膜と基板との密着性などを改善しています。
今後は、より薄い電解質基板上への膜形成や、同様の方法による電解質膜の形成、焼結膜の性能評価などについての研究を進めていきます。
Fig.3 Laser-sintered LSM films
Fig.4 Laser-sintered NiO/YSZ cermet films
レーザ照射による釉薬の局所的発色について研究しました。
レーザ切断と積層造形技術を組み合わせて、3次元構造体の作製について研究しました。
人間の歯はとても重要な役割を担っています。歯を失うと咀嚼力の低下、発音の異常、歯列のゆがみ、噛み合わせの悪化による顎関節症など、様々な悪影響を及ぼします。そこで、図1のようなインプラント治療による口腔機能の回復が注目されています。この研究では、今現在多く利用されているインプラントをさらに超えた、機能性を持つインプラントの開発を目指します。
図1 インプラントとは
今現在多く利用されているインプラントは、完全な緻密体であるために固定性に限界がああります。そこで図2に示すような、積層造形法を用いてインプラント内部に立体的な空洞を作製し、骨をインプラント内部に侵入させて固定性の向上がねらえます。
図3(a)に示すようなモデルから、図3(b)のような焼結構造体の作製に成功しました。この構造体は、インプラントに要求される圧縮強度を満たしていて、また内部構造も確認できます。今後は、内部構造の造形精度の向上などが課題です。
(a)3D CADデータ (b)スライスデータ (c)3Dモデリング (d)完成
図2 インプラントの作製方法
(a) インプラントの製造モデル
(b) 作製したインプラントの断面像
図3 インプラントのモデルと作製したインプラントの断面像
レーザ焼結法によって作製したポーラス材料の機械的特性について研究しました。
人にやすらぎを与えるデザインについて研究しました。
レーザアロイングによる水銀ターゲット容器の表面改質について研究しました。
実施年度: 2006年以前
DNAマイクロアレイスキャナの研究開発をしました。
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